セラミック矯正で受け口の歯並びをキレイに揃える
目次 受け口の通常の治療 受け口の歯並びをキレイに揃える場合、通常はワイヤー矯正(ブラケットによる矯正)によって治療します。
その矯正治療も通常のワイヤー矯正とは異なり、
①術前矯正
②外科矯正
③術後矯正
④リテーナーによる安定化
と4つの治療からなるかなり大がかりな治療になります。
術前矯正では受け口の状態のままで上の歯並びと下の歯並びをキレイなアーチを描く状態にします。
受け口のままなので咬むと下の歯並びは上の前歯よりも前に出ているような状態です。(画像は受け口の参考画像になります)
術前矯正にて上の画像のようになった下顎を手術にて骨を切除して下の画像のように後ろにさげます。
(画像は外科矯正によって下顎を下げた状態の参考画像になります)
外科矯正によって下げられた下顎と上顎のかみ合わせは弱いかみ合わせになっている事が多いため、術後矯正によってしっかりとしたかみ合わせに調整していきます。
そしてリテーナーによる歯並びの安定を図り一連の治療が終了になります。
(画像は受け口の治療が通常の矯正治療によって終了した状態の参考画像になります)
通常の矯正治療にて治療する場合大体4~5年ぐらいの歳月が掛かります。
そうしませんと理想的なキレイな歯並びを手に入れる事はできません
しかし、忙しい現在中々時間をかけてじっくり治療に取り組む事が出来ない方も大勢いらっしゃいます。
今回、受け口の歯並びをセラミック矯正にてできる範囲でキレイに揃える症例がありましたのでご説明させて頂きます。
通常の矯正かセラミック矯正か迷われている患者様は参考になさって下さい。
今回ご紹介致します患者様は上下の前歯の歯並びをキレイにする事を希望して来院されました。
セラミック矯正による治療(術前)
左上の2番目の前歯は後ろに下がった状態で生えていますので、少し前に出します。
左上の3番目の犬歯は八重歯っぽく生えている為、抜歯して左上の2番目の歯と左上4番目の奥歯との3本セラミックブリッジにする必要があります。
一番内側に入れる方法が抜歯してセラミックのブリッジにする方法ですが、今回のように八重歯の状態になっている歯を揃える場合は抜歯しないとキレイに歯並びを揃えることが難しくなります。
歯を内側に入れる方法は、
①抜歯してセラミックブリッジを被せる。
②神経取ってファイバーコアを内側に曲げてセラミッククラウンを被せる。
③神経を取らない範囲で通常よりも歯を多く削ってセラミッククラウンを被せる。
上記の3つの方法になります。
歯の生えている位置や、患者様がどの位内側に下げたいかによってどの方法にするかは変わってきますので、カウンセリング時に担当歯科医師とよく相談するようにしましょう。
上前歯2本は下の歯に隠れてしまっていますので、少し短めにして、前に出すようにします。
右上の2番目の前歯は上前歯2本に対して移行的に生えているようにします。
下の前歯は左の1番目の歯と右の1番目の歯、右の2番目の歯、右の3番目の犬歯の4本が上の歯よりも前に出ています。
これを改善するとかなり歯並びが揃っているように見えてきます。
今回の治療におきましては、下の前歯4本のうち2本の歯の神経を除去してファイバーコアを立てました。
神経を取ってファイバーコアを立てると、歯を内側に入れるだけではなく歯の大きさを全体的に小さくする事ができるようになります。
その為、隙間の少ない所でも揃った歯を入れる事ができるのです。
セラミック矯正による治療(術後)
今回の治療では上下10本のセラミックの歯を使って骨格性の受け口を治療しました。
外科矯正を含む通常の矯正治療に比べて改善されない所もありますが、セラミック矯正では短期間で歯並び
を揃える事ができます。
通常の矯正治療とセラミック矯正治療の違い 通常の矯正治療
- 金属の金具やワイヤーを歯に装着する
- 数年単位の治療になる
- 歯磨きが難しくなる
- 顎の位置を変える事ができる
- 全身麻酔が必要
- 歯を削る必要がない
セラミック矯正治療
- 神経を取って歯の軸方向を変える
- 数ケ月単位の治療になる
- 仮歯が取れる可能性がある
- 顎の位置は変えられない
- 局所麻酔で治療できる
- 歯を削ったり抜歯が必要になる
こうして比べてみますと下顎の位置や歯を削ったり抜歯したりする事にあまり抵抗が無く、短期間でそこそこの歯並びになれば良いとお考えの患者様でしたらセラミック矯正に向いています。
かみ合わせや顎のの位置もしっかり治療して自分の歯はなるべく削りたくないとお考えの患者様は通常の矯正治療に向いていると思われます。