左上前歯2本に安いセラミックの歯が入るまでの具体的な流れ
審美歯科・矢田クリニックにてキレイで安いセラミックの歯を装着するまでの治療の流れになります。
目次
①初回カウンセリングでは、どの様な治療になるのか、費用はいくらかかるか、どの位の期間がかかりそうかなどをご説明致します。
・保険で被せている銀歯をセラミック歯にする場合。
・保険で被せている白い歯をセラミックの白い歯にする場合。
・今まで一度も削ったことのない歯にセラミックの歯を被せる場合。
・先に虫歯の治療をしないといけない場合。
・先に歯を抜かないといけない場合。
・先に神経を取らないといけない場合。
・土台を立てないといけない場合。
など、個々の口腔内の状況に応じて治療計画を立てる必要があります。
一番早く治療が終了するパターンは『今まで一度も削ったことのない歯にセラミックの歯を被せる場合』になります。
このパターンに当てはまり、仮歯が必要ない場合は2回で終了します。
歯並びを揃えたりするセラミック矯正の場合は、神経を取ったり、歯を抜いたりする必要がありますので、治療回数は増える傾向にあります。
それでも、通常の矯正治療や、インビザラインのようなマウスピース矯正に比べれば短期間でキレイで揃った歯を手に入れる事ができます。
②治療が始まりますと大抵は歯を削って仮歯を入れる事になります。
虫歯の治療が必要な場合や、神経の治療や土台の治療が必要な場合はその限りではありませんが多くの症例は仮歯を入れる所から始まります。
具体的にセラミック治療のモニター募集にご応募頂いた患者さまの治療をお見せしながらご説明致します。
こちらの患者さまは左上前歯2本の色と形のバランスを揃える事を希望して来院されました。
下記の画像は初診時の正面写真です。
拝見いたしますと、左上前歯2本が他の歯よりも黄色っぽくなっています。
又、左側の2番目の歯には白濁のしみがみられ、少しとがった形態になっています。
黄色っぽくなっている原因を調べてみますと、歯の神経を除去した事による変色と分かりました。
神経を除去した歯の場合、数ケ月かけて少しずつ変色してしまいます。
色が気になるようならセラミックの歯を被せる事をお勧め致します。
神経を除去した歯の変色に対して、ウオーキングブリーチ法やオフィスホワイトニング法で色の改善が図れる場合もありますが、数ケ月経過すると元に戻ってしまう事がよくあります。
継続的に歯科医院に通う事が難しい患者さまにはあまりお勧め致しません。
白濁のしみの原因は過去に受けた矯正治療時のブラッシング不足によるエナメル質の脱灰である事が分かりました。
矯正治療時には歯の表面にブラケットと呼ばれる金具を装着しますので、金具の周囲にも丁寧な歯磨きが必要になります。
2本の歯には土台が入っていませんでしたので今回の治療では土台を立てる治療から始めます。
神経を除去した歯の場合、一般的には土台を立ててクラウンを被せる治療を行います。
しかし、クラウンを被せる場合、自分の歯を多量に削る必要があります。
『自分の歯はなるべく削りたくない。』とお考えの患者さまは大変多くいらっしゃいます。
そこで、神経を除去する為に開けた歯の裏側の穴をレジン(プラスチック)で埋めるだけにして、次に何か問題が発生した時(例えば、虫歯になってしまったなど)にまた治療方法を考える。
という感じで治療を完成させる事もよくあります。
今回の2本の歯に関しても、土台が入ってなかった理由は『出来るだけ歯を削りたくなかったから。』
という事でした。
クラウン(セラミック歯)を被せる場合、土台を入れておかないと歯が根本から折れてしまう可能性が高いと診断された場合は土台を必ず立てましょう。
審美歯科・矢田クリニックにおきましては3種類の土台を用意しています。
ファイバーコア
セラミックの歯の色を一番キレイに再現する事ができますが、金属の土台に比べると弱いです。
銀色の金属の土台
非常に丈夫な為どんな症例にも使えます。
金色の金属の土台
こちらも丈夫な為どんな症例にも使用可能ですが、18kを使っている為高価になります。
土台の選択時に3種類の特徴を患者さまに説明しながら適切な土台を決定するようにしています。
③土台を立てたら歯を削って仮歯を入れる事になります。
仮歯は型を取って技工士さんに製作してもらう方法(間接法)と削って直ぐその場で歯科医師が作る方法(直接法)があります。
審美歯科・矢田クリニックでは後者の方法で仮歯を製作します。
その方が通院回数を減らす事にもなりますし、歯が無い期間が無くなります。
そして、一番の理由はぼくが一番良いと思われる形の仮歯を作る事が出来るからです。
そうは申し上げましても、その仮歯をたたき台にして、患者さまご自身のなりたい歯の形に調整致しますので安心してください。
仮歯の素材はポリカーボーネートと呼ばれる白いプラスチックみたいな物を使用します。
歯科用のポリカーボネートはあらかじめ数種類の大きさの歯の形に作られていますので、それらの中から患者さまの歯のサイズに合ものを選んで、仮歯として使用します。
選んだサイズの仮歯はそのままでは使用する事ができません。
患者さまの土台の歯と縁の部分が一致するように調整する必要があります。
きちんとした調整をしませんと、歯茎が腫れたりします。
適合性をその場で調整できるのも直接法の良いところです。
仮歯は変色しやすく、匂いが付きやすく、汚れも付きやすいのであまり長期に渡って使用しない方が良いです。
あくまでセラミック歯が入るまでの一時的な見た目改善の為の歯であるという事お忘れにならないようにしてください。
*当医院におきましては即日仮歯のみの治療も行っています。
④患者さま好みの仮歯に調整が終了しましたらいよいよセラミックの歯を作る為の型取りになります。
ポリカーボネートで作られた仮歯は患者さまの好みで削る事も、継ぎ足す事もできます。
実際に歯を作る前にある程度、最終的なセラミック歯の形態をイメージして頂く事ができます。
審美歯科・矢田クリニックでは仮歯とほぼ同じ形のセラミック歯を製作する為に、現在の仮歯の状態で口腔内の型を取ります。
この歯型を技工士さんに渡し、患者さま希望の歯の形を理解して貰います。
こうする事によって患者さまがイメージしているセラミック歯の形を技工士さんが作る事ができるようになるのです。
左上前歯2本を仮歯にしました。 仮歯2本を装着した状態で口腔内模型を作りました。
この模型を技工士さんに渡します。
実際に製作された2本のセラミック歯です。
⑤実際に製作するセラミック歯の色はシェードガイドを使って決めていく事になります。
オールセラミック(ジルコニア、イーマックス)の治療をする時に気を付けておきたいのは、セラミック歯の素材によっては色が自由に出せないという事です。
当歯科医院を訪れる患者さまの中には、
『型取りをする直前までセラミック歯の色の説明はなく、色決めの時に5種類ぐらいの中から選んでください。』と言われました。
『5種類の中には自分の歯の色に合うセラミック歯の色調は無く、色を合わせて欲しい。』と言うと、
『自由に色や形の選べるタイプのセラミック歯の場合、料金が高くなります。』と言われてしまい、
『審美歯科・矢田クリニックに転院して来ました。』という方がいらっしゃいます。
お話をよく伺うと、セラミック治療に使う歯を何種類か用意していて、その歯にランク付けをして、値段が高いセラミックの歯程色がキレイであったり、好きな歯の形に出来るというシステムになっているらしいです。
その為、安い費用でセラミックの治療が出来るようなホームページでも、周囲の自分の歯と自然な感じにセラミック歯を入れようとすると数万円プラスしないと満足できるセラミック歯を作ってもらえないみたいです。
当クリニックのセラミック歯は1本¥49,000円(税別)と一律価格になっていますのでご安心下さい。
当医院で使用しているシェードガイドは左記の通りになります。 ⑥完成したセラミック歯を患者さまの口腔内にセットします。
セラミックの歯をセットする時にかみ合わせの調整を行いますが、神経が残っている歯の場合しみる事があります。
麻酔をすれば良いことなのですが、麻酔をしてしまうと歯の高さがわからなくなってしまいます。
かみ合わせの調整をする時はなるべく麻酔をしないで、歯に装着する直前に麻酔をさせて頂くのが理想的です。
かみ合わせの調整や形態の微調整が終了した後、口腔内に試適して患者さまに確認して頂きます。
問題がなければセラミック歯をセットします。
当医院で使用している接着剤はセラミックと歯を強固にくっ付けますが、完全硬化するまではちょっと変な味がします。
1日経てば気にならなくなりますのでご安心ください。
⑦セラミック歯を長くもたせるには。
装着したセラミック歯を口腔内で長期間機能させるには、どうすれば良いのでしょうか?
セラミック歯に限らず、審美歯科治療で使われる白い歯は強い力に弱いです。(例外的にジルコニア単体のクラウンは強いです。)
セラミック歯はたわむ事がほとんどできない為に、ある一定以上の力が掛かると破折します。
咬みしめや歯ぎしりをしてしまう患者さまはマウスピースを夜寝る時にするようにしましょう。
マウスピースによって直接セラミック歯に強い力が掛からなくなり破折の予防になります。
マウスピースは穴が開いたり、ヒビが入って来たら交換するようにしてください。
セラミック歯は天然の自分の歯と比べて咬耗しにくいです。
数年経過すると天然の自分の歯の方が早く削れてしまう事があるのです。
そうすると相対的にセラミック歯の高さが高くなり、強く咬むようになります。
あまりにもセラミック歯に強い力がかかるようでしたらかみ合わせの調整が必要になります。
歯周病や虫歯の予防も大切です。
人間は痛い歯があると、通常では咬まない所でも痛みを避ける為、無理してでも咬むようになります。
セラミック歯の治療をした時と違う位置で咬むようになってきますと破折のリスクが高まります。
痛みや違和感が出てきた歯がある場合早めに治療するようにしましょう。